No.2:KEISUKE WAKAO Plays music of JOHN WILLIAMS / 若尾圭介

 DENON COCQ-83115/ CD 1999

秋葉原のCDショップをウロウロしていた時、店内のBGMでオーボエの甘美な音色が流れ始めました。
「あれ?このメロディは・・・・・・E.T.のテーマ!」
それがこのアルバムとの出会いでした。

初めてオーボエの音色に接した曲は、ワーグナーの歌劇「ニュルンベルグマイスタージンガー、第1幕への前奏曲」のブラスバンドアレンジだったでしょうか。中学生の時でしたが、中間部のオーボエソロがやたらカッコよかったなあ。

そんな訳で興味をそそるもこの楽器、やたら高価(YAMAHAの安いモデルでも40万位!)
おまけにダブルリードで、オーボエ吹きはヒマがあればリード作りをしている。そんな様子を目の当たりにして、「何と繊細なんだ」とあっさり断念。・・・・で、構造の単純なトロンボーンを吹いていた。

オーケストラがチューニングする時、オーボエのAの音に全員が合わせるのはご存じのとおり。
オーケストラ楽器の中で最も官能的な音色を奏でる楽器は、さりげなく印象的な旋律を与えられている管弦楽曲が結構多い。ところが、オーボエメインのアルバムってのは意外に少ないものです。オーボエ協奏曲の有名どころも、モーツアルト、Rシトラウス、Aマルチェッロ位だし、ソナタも数少ない。
官能的故に、前面に押し出してしまうとイヤラシクなってしまうのでしょうかね。

このアルバムの奏者は、ボストン交響楽団の日本人オーボイスト「若尾圭介」です。
当時、彼はボストンポップスオーケストラの主席奏者も努めており、そこの音楽監督でもあった作曲家「ジョン・ウィリアムス」の映画音楽から選曲し、室内楽編成で演奏しています。(ジャケットの2ショットがこの二人)

E.T.」「スターウォオーズ」「シンドラーのリスト」「スーパーマン」等、オーケストラ編成でお馴染みのメロディを、弦楽四重奏+ピアノ(ジョン・ウィリアムス本人もピアノで1曲参加)にアレンジしなおすことで、オーボエの官能的な音色を見事に活かしています。

「女性を口説くときのBGMはオーボエ」と言ったのは、故山本直純さんでしたっけ?
それはさておき、“月の綺麗な夜、水割りを片手に何か聞きたい”そんな時にオススメの1枚です。