No.16:37 CARAT / THE WHOOZE

 SONY RECORDS SRCS 5500 / CD 1991

興味の向くまま様々な音を聞いているけれど、どうもパンクとかハードなロックと呼ばれるのを聞き続けるのは苦手なんだ。
ダイナミックレンジや瞬間的な音圧感はオーケストラの方が圧倒的にあるけれど、どうも連続的な音圧感と自分の体内リズムが合わないみたい。

それと、そのあたりの演奏を聞いて感じるのは、音色がグチャ〜とつぶれてしまって、ボーカルや個々の楽器の一音一音が聞き取れず、単に歪んだ醜い音の塊になっていることの不快感。
エフェクトやPAの技術的な拙さも関係しているのだろうけれど、そんな音を聞くと「この人たち、何を伝えたいんだろうか」と思ってしまう。

でも、キレのあるリズムとクリアな音色で スリリングなフレーズを展開してくれるのであれば、連続的な音圧感も不思議と堪えられる。まあ、これはオーケストラもしかり、すべての音楽に共通して言えることなんだけれど、ハードロック系はそんなことを顕著に感じるのも確か。

さて、このアルバム。購入時の予備知識はまったくなし。
1,800円の定価を見て安いな!と思い、シングルかと思ったら「確かに1曲だけれど、ロックの有名どころ30数曲メドレー22分半」と聞いて俄然興味を持ち、レジに運んだもの。

クレジットをみても詳しいことは書いていないし、オープニングとエンディングがアメリカ国歌なので、米国バンドかと思っていたら、最近、日本人が演奏しているらしいことを知った。なんでもNight Hawksとかいうロックバンドが、自身影響を受けた曲をメドレーにしたらしいけれど、オリジナルもしっかり入っているらしい。・・・そのバンド聞いたことがないので、らしい、となってしまう・・・その程度。

で、10年以上前になるけれど、興味本位で買って、さっそく聞いたんだ。
いや〜〜〜〜、先入観にあったグチャ〜音がないし、なんせ、メドレーの難しさである曲のつなぎ方がやたらカッコいい。ダラダラと単純に転調してつなげず、構成の展開とメリハリ感があるので即、気に入ってしまったさ。

クラシックの曲でも、複数の主題のつなぎ方が大切だけれど、そこは同じオタマジャクシ。ロックメドレーでも大切なのは同じってことなんだね。メドレーの使用曲名を見て、なんか違和感のあった「BILLIE JEAN」なんぞは、前後の展開が絶品です。

しかし、その気になって自分が弾くと、やっぱりノイズギターになってしまうのが悲しい。。。。