No.18;吉田町の唄 / 吉田拓郎

 FOR LIFE FLCL-30135 / CD 1992

高校に入ってギターを弾き始めた時、基本的なコードを覚え、弾き始めた曲をノートに書き記した。いまだに手元にあるそのノート、1ページ目は岡林信康の「友よ」で、コードはC,F,G7の3つ(でも、いきなりFが出てくる)、2ページ目は風の「22才の別れ」(オイオイ、3フィンガーだよ)、3ページ目は布施明が歌った「シクラメンのかほり」(小椋佳バージョンで覚えたけれど)、そして4ページ目がこの人、吉田拓郎の「結婚しようよ」である。
そして、グレープ(さだまさし)は9曲目に書かれている。

ただ、そのまま拓郎を聞いたかとなると、コレがまったくだめ。「シンシア」は好きだったけれど、他の曲はロック過ぎて、あのテンションに馴染むことができなかった。おまけに、浅田美代子をたぶらかしたという感情も加わり、まったく縁遠い大御所になっていた。

そんなヤツが、いつの頃からかTVに顔を出すようになった。
そんなうちにTVCM(確か保険会社)で流れて来たのがこのアルバムのタイトル曲「吉田町の唄」。

この曲の企画者は「吉田町若者共和国」という組織で、いわば青年団
新潟県、埼玉県、静岡県広島県愛媛県、鹿児島県の6県にある「吉田町」が姉妹町となったことからできた組織で、さっそく町おこしの一環として、同姓で鹿児島県産まれで広島県育ちのヤツにイメージソングの制作を依頼し、出来たのがこの曲なんだよね。

「のびやかにしなやかに育てよ子ども。やがて大地踏みしめ、太陽になれ!」と歌われる、子供たちへのメッセージ。なんだかほのぼのしていいよな〜、と思い、すぐに受け入れてしまいました。(もっとも、こうして軟弱化してゆく姿勢に対し、従来からのファンは批判していたようだが)

そんなヤツが1994年の大晦日、ついに「紅白歌合戦」に出場してしまった。
興味津々で見たステージは、バックミュージシャンがなんともスゴイこと!
AG:石川鷹彦、EG:渡辺香津美、BS:後藤次利(確か?)、PF:大西純子、DS:日野元彦、TP:日野輝正、そしてコーラスは白組の面々(当然、演歌の大御所も多数)

外は白い雪の夜」という曲を歌ったけれど、演奏時間は異例の6分以上(1曲あたりとしてはいまだに記録らしい) バックの圧倒的な演奏にスゲ〜〜、このメンバーを揃えたんNHKにスゲ〜〜〜、とほれぼれしながら見てしまった。
(この演奏、テープに録音してあるけれど、いつ聞いても良いのだ)

そんなヤツも年齢を重ね、昨年には大病を患った。
時間ってのは、残酷なんだよなあ。