No.34:A Musical Christmas from the Vatican / オムニバス

 EMI TOBW-3072 / DVD 2002

クリスマスはキリストの誕生を祝うキリスト教の伝統的な記念日ですが、信者であるなしに関わらず、様々な思惑がらみで世間はイベント的に賑わっていますね。もちろん信者にとっては聖なる日、大切な日なのでしょうが、個人的にはいまひとつピンとこない日でもあります。

カトリックの総本山はヴァチカンですが、そこでは1993年以降、クリスマスの日にコンサートが開催されており、幅広いジャンルのトップミュージシャンがクリスマスソングの数々を披露しているらしい・・・というウワサは聞いていたのですが、ある日、CD/DVDショップをウロウロしていたら、このライブを納めたCDとDVDが発売されるとの情報を入手。1998年〜2000年のコンサートから選りすぐって、ベスト盤的にまとめたもので、期間限定発売。CDとDVDでは収録曲が若干異なるのでどうしようかと思ったけれど、会場の雰囲気を味わうためにDVDを選択し購入しました。

映像を見てビックリしたのは、会場の各席に枢機卿をはじめイタリアの貴族、そしてアメリカの高僧などの貴賓がズラリと並んでいること。多くの人が神父衣装なので、ちょっと荘厳な雰囲気を醸し出しているけれど、意外と楽しそうに聞いている様子が微笑ましかったりします。

バンド+フルオーケストラに数十人のコーラス、ステージにはでっかいもみの木が2本。それでもステージは広々、お客さんは正装、いったい何千人が入っているのだろう?
なんともリッチでゴージャスなライブ。

出演者は下のとおり、とっても豪華です。
サラ・ブライトマン、フィリッパ・ジョルダーノ、ディオンヌ・ワーウィックマンハッタン・トランスファーとお気に入りの歌手が次々と登場。当たり前だけれど、みんな上手い!
それにしても、何でこんなに歌い方が違うんだろうなあ・・・・

多数のミュージシャンが入れ替わり登場するので全体の流れがどうかな?と思って見始めたけれど、クリスマスという共通のコンセプトがあり選曲があるので全く違和感ありませんでしたわ。このあたり、自分達がライブを企画する時の参考になります。

それと、スッゲ〜演奏の後はやりにくいだろうと思うけれど、どの出演者も前の人の余韻をすぐに消してしまうパワーを持っており、聴衆をすぐさま自分の世界に引き込んでいく様子はさすがです(これも当たり前か)
そしてそして、圧巻は全員で歌うHappy Xmas(War Is Over)。
何とも荘厳で美しい!、色々なバージョンを耳にするけれど、これはひと味違いまっせ!

ちなみにこのコンサート、教会を建設するための資金集めが発端だったそうです。
教会も資金集めには苦慮してるんですね。