No.37:Live Beautiful Songs / 大貫妙子・奥田民生・鈴木慶一・宮沢和史・矢野顕子

 TOSHIBA-EMI TOCT-24456-57 / CD 2000

「企画ライブ」というと、どんなイメージを持ちますか?
チェリティを目的としたもの?
真夏の屋外や真冬のスキー場等、ホールから飛び出すもの?
バンドのメンバーのソロ活動?
思いもしなかった異色の組み合わせ?

想像するだけでも色々なパターンが考えられますが、実際、聞きに行きたい!と思うのはどんな企画なんでしょうかねえ。。。。

このCDも企画ライブものです。
個性的な5人のミュージシャンが集まってプロデュースし、それぞれが「うた」を聞かせてくれます。

自らのソロあり、他の人に歌ってもらうのあり、誰かとのデュエットあり、そして全員参加ありと、単なる寄せ集めではなく、よ〜く構成が練られていて、スルスルと聞いてしまいます。
また、みんなで歌うことで、個々の特徴、スタイルがより鮮明になる感じもします。

自分の持ち歌を他の人に歌ってもらうっての、興味ありますよねえ。
もっとも、この人たちは他の人に提供している曲も多いから、私の感覚とはちょっと違うかもしれませんね。
それにしても、人の曲を歌ってもその人らしくなってしまうのはさすがです。奥田民生が歌う「ラーメン食べたい」(オリジナルは矢野顕子)なんぞは絶品ですよ。
ましてやデュエットとか全員参加になると、何だか自由にハモリをつけちゃって、如何にも楽しそう。

で、このライブのメイン企画が大胆!
糸井重里が書いたひとつの詩を、5人それぞれが作曲し、自らが歌っています。それも5人連続で・・・・・・しかし、同じ詩なのに、なんでこんなに曲調や雰囲気が違うの!。歌い出しから、いや、イントロの音が出た瞬間からして違う!!
みんな独自のスタイルを持っているからこそできるんだなあ、と感心、感激、感動。。。。

ライブは2000年に、全国主要都市で9公演のみ行われたものです。好評だったこともあるし本人達も楽しんだのでしょうね、2002年には同様のコンセプトで10公演が行われてます。知っていれば行きたかったと、このCDを聞いて悔しがりました。
この企画がどのような成り行きで実現したのか、出演者の意気込み、ライブを聞いた人の反応等は糸井さんのサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」に詳しく載っていますので、ご覧ください。

レベルは大きく下がりますが、我々も「るあ la mode」という企画ライブを時々行っているのはご承知の通り(だと願う)
自分達が企画する場合は自らがブッキングをするわけですから、ただ順番に演奏するだけではなく、ステージ上で、演奏による交流を図ることでその人や自分達の新たな面を出せたら、なんて思ってしまうのは欲張りなんでしょうかねえ。
でも、自分達のオリジナルを他の人が歌ってくれる、アレンジも変えてくれる。逆に、自分達が気に入った他の人のオリジナルを歌ってみる、もしくは演奏に加わる、な〜んて、想像しただけでも楽しそうです。

話はそれましたが、このCDを聞いていると、ついつい、そんな欲張りなことを思ってしまうのですよ。