No.36:白いページの中に and more tracks / 柴田まゆみ

 TEICHIKU TECH-25032 / CD 2004

昔「世界歌謡音楽祭」というコンテストがありました。ちょっと調べてみたら、この音楽祭はヤマハが手がけた日本初の本格的音楽祭で、1970年〜1989年までの間に20回開催されています。第1回のゲストは、なんとカーペンターズだったそうで、第14回にはセリーヌ・ディオンも出場していたそうです。
本選の様子がTV中継されていたので、興味深く見ていた記憶があります。海外の新人アーティストを映像で聴くことができたという意味でも、貴重なイベントでした。

この音楽祭では何人かの日本人がグランプリをとっています。小坂明子「あなた」(1973年第4回大会)や中島みゆき「時代」(1975年第6回大会)には大きなインパクトを受けました。
(その後、アラジン「完全無欠のロックンローラー」がグランプリをとったあたりから、自分の中ではしぼんでいきました・・・・)

この音楽祭の登竜門だったのがヤマハポピュラーソングコンテスト、通称「ポプコン」です。スタートは作曲コンクールだったそうですが、フォークソングからニューミュージックへの転換期だった時期でもあり、1972年からアマチュアミュージシャンのコンクールとなって、1986年に終了するまでの間、ここから多くののシンガーソングライターが誕生しました。

そんな「ポプコン」に登場した楽曲を聴くことができたの、ラジオ(ニッポン放送)番組「コッキーポップ」です。私自身がちょうどラジオを聞き始めた頃、TVの歌謡番組では聴けないような新しい音が毎週流れてきて、とっても新鮮でした。

ポプコン出身のミュージシャンはホントに数多くいますし、たくさんのよい楽曲が生み出されています。現在も活躍する人も多くいますし、すぐに消えてしまった人も多くいますが、消えてしまった人の曲でも、いくつかは記憶の中で流れ続けています。

「柴田まゆみ」はすぐに消えてしまった人のひとりで、1978年第15回ポプコン入選曲でメジャーデビューしたものの、すぐに結婚引退してしまいました。が、音楽は続けていたようで、生活が落ち着いた1992年に書きためていた曲をスタジオでデモ録音したそうです。それから12年、そのデモ音源が日の目を見て、2004年12月にアルバムリリースとなりました。
環境の変化はあろうとも、どんな形、どんなペースであれ、続けること、続けられるはステキなことです。

アルバムタイトルの「白いページの中に」がポプコン入選曲で、これがいい曲なんですねえ。
記憶の中で生き続けた曲が不意に復活するって、なんともウレシイものです。
ただ、ジャケット写真を見て、こんな感じの人だったかな〜??ってのはありますがね(笑)