No.40:FOR YOU / 山下達郎

 AIR/RAL-8801 / LP 1982

このアルバムのインパクトは、何と言っても1曲目「Sparkle」のイントロ。
初めて聞いたときは、正直ぶっ飛びました。
盤に針を落とすと、いきなりテレキャスターの独特な乾いた音。
ジャンジャンジャ・ッジャ、ジャンジャンジャ・ッジャ、・・・・

16分シンコペーションストロークで刻むAmaj7系なカッティング。
当時、フュージョン系も結構聴いていたけれど、この鮮烈なイントロのおかげで達郎へのハマリ度がグ〜ンと高まったのじゃないだろうか。

このイントロは達郎自身の演奏。
というか達郎さん、自身のアルバムでも結構ギターを弾いています。
かつて行ったライブでも弾きまくってました。この人、ライブになると凝ったアレンジになって、1曲10〜15分位かかるのが当たり前って感じだけれど、それでもバリバリ弾きまくってますねえ。リードはやらないけれど、バッキングはホント上手い。

人によっては、この「FouYou」までのAIR/RALレーベルの作品を評価し、「MELODIES」以降のMOON/WARNERレーベルの作品は邪道だ!な〜んて言っているようですね。確かに、初期はロック色が強い感じがするけれど、私自身はどちらの時代の作品にも素晴らしいのがたくさんあると思ってます。

ただ、個人的に「違うなあ〜」と思うことは、AIR/RALレーベル時代の大きな特徴として、達郎以外の作詞とコーラスで吉田美奈子が大きく関わっているということ。ご承知のように、最近は自身の多重コーラスもしくは奥方である竹内まりやのコーラスに変わってきていますから、この部分でのサウンドは大きく変わっているのは確かであって、ついでに言えば、吉田美奈子の大ファンの私としては(笑止選盤No.12参照)、この部分で初期の作品のポイントが高いかなと(笑) もっとも、 超有名曲「クリスマス・イブ」はMOONレーベルに移籍した最初のアルバム「MELODIE」に収録されていますし、移籍後の方が大衆受けしている感じはしますけどね。

さて「For You」です。
LPというのは、CDと違って、途中で盤をひっくり返さなくてはなりません。
なので、A 面とB面、それぞれの1曲目のインパクトが大切。
その点、このアルバムの B面は、これまたギターのバッキングフレーズが印象的な「LOVELAND, ISLAND」でスタート。サントリービール(だったかな?)のCM曲としても使われていたので、こちらのつかみもOK!って感じ。ちなみにA面1曲目「Sparkle」も、同じCMで使われていたような記憶が・・・・

そして締めくくり、B面ラストの「Your Eyes」はバラードの名曲で、これが何ともステキ。
ああ、何度聞き返しても良い。曲、演奏、アレンジも良いし、なんたって録音が良い。
う〜ん やっぱり素晴らしいアルバムです。

そうそう、このジャケット。
大滝詠一「LongVacation」と同じイラストレーター、鈴木英人氏の手によるものなんですね。