No.45:シェィディ / 尾崎亜美

 EMI ETP-72245 / LP 1976

ポチャポチャの丸顔に爆発したようなヘアスタイル。
何とも垢抜けしない表情のジャケットが彼女のファーストアルバム。
しかし、このアルバムから半年後、1977年2月に発表し、資生堂CM曲に使われた「マイ・ピュア・レディ」のヒットから、彼女のサクセスストーリーが始まります。

この年、NHK-FMで彼女のスタジオ生ライブがオンエアされました。 この放送を聞いた私は、すっかり彼女を気に入ってしまったのでした。
ピアノ弾き語りで約1時間、ファーストアルバムからの曲が中心の構成で、タイトルの付いていない新曲も演奏しています。この放送のエアチェックテープは私のカセットコレクションのお宝のひとつ。

当時、荒井由実中島みゆき等、女性のシンガーソングライターが徐々に出てきましたが、その中でも彼女はアレンジャーやプロデューサーとしての才能を併せ持った希有の存在です。
1stアルバムと2ndアルバムは全曲を松任谷正隆がアレンジしていますが、3rdアルバム「ストップモーション」からは自らプロデュースし、全曲をアレンジしています。それも、ストリングス&ホーンをフォーチャーした私好みのアレンジ。。。

彼女のエピソードにこんなのがあります。
それは、17才の時にあるコンテストに出場し2位になったときの審査員の言葉。
「この人は何もあげなくても、プロになるから何もあげたくなかった。でもそれだと皆が納得しないから2位にした」
・・・・・確かに、この2年後にメジャーデビューしましたからね。

そんな彼女、7thアルバム「HOT BABY」と8thアルバム「Air Kiss」では、アレンジャーに何とデビットフォスターを起用!、というか8thではデビットの方からオファーがあったとかなかったとか・・・。
気分一新、9thアルバム「Shot」からは再び自身のアレンジに戻ったけれど、フォスター流を取り入れ洗練されたようです。個人的には6th「MERIDION MELON」〜13th「10番目のミュー」が気に入ってます。

そうそう、彼女の初期のアルバムには意外な人が参加しているんですよ。
クレジットを見て、こんな発見するのも楽しみなんですね。
1st:ハイファイセット
2nd:南佳孝
3rd:オフコース、寺尾聡
4th:オフコース

自身で歌った曲よりも、他者に提供した曲の方が数多く売れてしまったので、シンガーというよりもソングライターとして一般に認知されてしまった感もある彼女ですが、プロデューサー&アレンジャーとしてアルバムを聞くと、それはそれで面白いのですよ。

1997年1月にベーシストの小原礼氏と結婚し、現在は音楽活動的が落ち着いてしまった彼女ですが、時折TVに出演しています。力強い歌声は約30年前のデビュー時から変わっていないのはステキなことなれど、歌う曲は何故か「オリビアを聞きながら」とか「天使のウインク」等ばかり。隠れた名曲が数多くあるのになあ・・・と、ちょっぴりで寂しく思っているファンは私だけではないはず。

なお、もうふた昔も前になりますが、私の結婚式でのキャンドルサービスのBGMは全曲彼女のアルバムからセレクトしています。