No.49:BASSIC INSTINCTS / SINFONIA LAHTI CELLO & BASS ENSEMBLE

 BIS RECORDS BIS-NL-CD-5026 / CD 2004

メロディ、リズム、ハーモニーの3要素、これを最終的に決めるのがアレンジですね。
どんなに良いメロディでも、アレンジしだいで駄作になってしまいます。
これはどんなジャンルでも同じこと。

最も壮大なアレンジはオーケストレーションでしょうか。
この曲のメイン曲「展覧会の絵」は元々ピアノのための曲。
それをメジャーにしたのはラヴェル管弦楽用アレンジで、「展覧会・・」は元々オーケストラの曲と思っている人がいるのではないかと思うほどの傑作。

そんな曲をフィンランドのラハティ交響楽団のチェロセクションのリーダー、イルッカ・ペーリという人が6本のチェロと4本のコントラバス用にアレンジした。
弦セクションの低音部を受け持つ2つの楽器による「展覧会・・」は、ピアノ盤ともオーケストラ盤とも違う曲の魅力を導き出していて、当然ながら重厚なアンサンブル。

トロイメライ、ヴォカリーズ、シシリエンヌ、熊蜂の飛行などの小品も同じようにアレンジされており、これらの曲の持つ魅力を新たに引き出している。解説に「低音マジック」と書いているが、演奏テクニックも含め、ホントにマジックですよこれは。

ペーリは原曲の意図を生かすため、原曲がピアノ曲の場合はピアノ版から、オーケストラ曲の場合はオーケストラ版からアレンジしているそうです。なるほどね。

このアルバムを聞くと、アレンジは想像力であり、「この曲はこうでなくてはいけない」というような妙な先入観は邪魔者になるだけなんだなあ、と思わせてくれますわ。
それと、この低音はオーディオチェック用としても適当ですよ。