No.53:Love Songs / 竹内まりや

 RCA RVL-8047 / LP 1980

今日、6年ぶりのアルバムを発表した彼女は、ご存じ山下達郎婦人。
その彼女の独身時代、通算3枚目のアルバムは、ベスト盤的内容で、現在聞いても良質のポップなサウンド

驚くべきは、この頃のアルバムと最新アルバムを続けて聞いても、27年間という時間差を感じないこと。つまり、このアルバムのサウンドがなんら古くささを感じさせないってこと。
そして、声質や歌い方もほとんど変わっていない。これは驚異的なこと。
つまり、それが私にとっての魅力。

デビュー当時はアイドル的な戦略とのミスマッチを感じて、どうかな?と思っていたけれど、自らソングライターとしてアルバム参加しながら脱アイドルしてゆく過程で、私が彼女を聞き始めたのは、何と言っても楽曲の良さ。
後の伴侶となる山下達郎を始め、加藤和彦細野晴臣大貫妙子林哲司伊藤銀次杉真理等が楽曲を提供していて、まあ、この顔ぶれをみれば、おおよその音は想像つくというもの。そして現在は達郎が全面的にプロデュース。逆説的には、この顔ぶれの好みで、好き嫌いが別れるミュージシャンでしょうね。

結婚、子育てがひと段落し、活動を再開してからの方がアルバムも売れているし、女性の支持者が増えたようです。これは、彼女の生き様への共感が大きく反映されていると言われてますが、私が聞いて感じるのはソングライターとして魅力、自作曲の比重が増えると共にそれが純粋に評価された結果だと思います。この何作かは特に詞が、イイです!

自分のペースで、まわりの理解と強力を得ながら音楽を続け、そこに無理を感じさせない。
いわゆる「自然体」
なんたって、6年間アルバムを出さなくても「あの人はいま何処へ」って類に取り上げられないものなあ(笑)。
今聞いても違和感がないからこそ、そろそろ独身時代のアルバムが再評価されてもいいのでは?、と思うわけですね。