No.65:MAGIC / SQUARE

 CBC SONY 28AH 1368 / LP 1981

当時、ジャズをベースに他の要素を取り入れ、いわゆるクロスオーバー的ジャンルを広げていった渡辺貞夫渡辺香津美を追うように、何名(何組)かの若いミュージシャンが続いてきた。いわゆるフュージョンというジャンルが確立されてゆく中、独自色を求めたアプローチが色々と試みられていた。
そんなアプローチのひとつ、ボーカルをフューチャーしたことで私の耳に入ったのがSQUAREの3枚目のアルバム「MAKE Me A Star」で、このバンドは今ではお馴染みの楽器「リリコン」のリードも注目のひとつだった。

でも、個人的にお気に入りを決定付けたのが5枚目となるこのアルバム
当時、エレキを弾き始めた頃なので、イントロのギターのカッティングに引き込まれ、ベースのチョッパーにビックリって感じかな(笑
それに、何といってもボーカル曲がいい感じ!
アルバムタイトル曲でもある「マジック」は、のちに「It's Magic」としてマリーンがカバーして有名(というか、彼女の出世作)になったけど、元々は某国営放送の英会話講座にも出演していたキャサリーンが担当、このアルバムでは4曲にボーカル参加し、透明感を感じる声を聞かせてくれている。

アレンジ的には大きく変わりはないけれど、このアルバムではPopで爽快な音作りだったのが、マリーンのバージョンでは彼女の声と歌い方に合わせてか、かなりビートを効かせて厚みのある音作りをしているような感じ。その後の活動の濃さによってか、マリーンVerの方が認知度が高いし、音もライブ向きと感じるけど、オーディオで聞くと、このアルバムVerにも良さは感じる。
そう、ボーカルによって曲の印象は大きく変わるし、その評価は聴き方によっても変わるんだ、と改めて思う。そして、歌ものの場合に大切なのは、ボーカルの質に合わせた音作り(もしくはバンドサウンドに合わせたボーカル選定)なのだろうね。

  

余談ですが、このアルバムには「タモリ」という意外?なミュージシャンが参加してます!
ある曲ではトランペットソロを吹き、ある曲ではバックグラウンドボーカルで、何故か?ちゃんと音楽してます。これもクロスオーバーという事でしょうかね(笑

このバンドは12枚目のアルバムに収録された「TRUTH」がF1TV中継のテーマ曲に採用されたことで、音楽的なイメージが固定化されてしまった感があり、しばし痛し痒し状態だったと思うけど、メンバーの入れ替わりが多くあったりグループ名が微妙に変わったりしても、中心メンバーは変わらず、今も活動を続けていることは素晴らしいこと。やはり、リーダーであれ、メンバーの誰かであれ、それが入れ替わりであっても、バンドのどこかで活動への強い意志が示されていることは継続の大きな要素と、見ていて感じます。すっかり白髪になっちゃったけどね(笑

ところでこのアルバム、ボーカル曲の歌詞がこんなものに書かれて付属していますよ。

 

ターンテーブルに乗せて回してみると、あ〜ら不思議!!
「残像運動」の現象を応用したらしいけど・・・・私には狙いの効果が分からず目が回るだけ(汗
いったい誰の趣味なんでしょうね(笑